刀豆ナタマメ協会 Sword bean association
鹿児島の大地の力で身体を癒す。
■ 蓄膿症に効く ■
歯が原因で起こる蓄膿症がなた豆茶の飲用で手術せずに改善し
鼻づまりや鈍重感、目の圧迫感が解消された!
番町オーラルサージャリー&スキャニング院長・歯学博士 伊藤道一郎
蓄膿症の患者さんからなた豆のことを聞いた
 私が、なた豆のことを知ったのは、一〇年ほど前のことでした。当時、歯が原因で引き起こされる蓄膿症(歯性上顎洞炎)の治療に通院されていた患者さんから教えてもらいました。
 その患者さんは、手術をせず、経過観察のみを続けていたのですが、しだい症状が改善されてきたのです。何か特別なことをしているのかたずねると、その患者さんは、なた豆茶を毎日飲んでいると教えてくれました。
 それがきっかけで、なた豆について、文献やインターネットで情報を集め、詳しく調べてみることにしました。すると、なた豆は昔から「膿取り豆」として蓄膿症などの民間療法に用いられていることがわかりました。
 歯性上顎洞炎も蓄膿症の一種です。なた豆に膿を取る働きが本当にあるとすれば、この患者さんが改善したのもうなずけます。そこで私は、なた豆を用いて、歯性上顎洞炎の臨床試験を行ってみることにしました。その結果をお話しする前に、この病気のことを、もう少し詳しく説明することにしましょう。
 まず上顎洞とは左右の上顎の骨の中にある空洞で、鼻腔とつながっている場所のことです。
 虫歯などにより歯が炎症を起こし、その炎症が歯根を貫いて上顎洞にまで達したのが歯性上顎洞炎です。炎症を起こす原因は口腔内の病原菌で、それが上顎洞に侵入すると、白血球の免疫細胞が集まってきて、これを退治しようとします。その結果、病原菌と免疫細胞は死滅しますが、その残骸が膿となって、上顎洞にたまっていくのです。
 歯性上顎洞炎の膿は、耳鼻咽喉科で扱う普通の蓄膿症より症状がしつこく、膿のにおいもきついのが特徴です。
 さらに膿がたまってくると、上顎洞の粘膜は厚く大きくなり、それが鼻腔粘膜にまでおよぶと、鼻の通りが悪くなって呼吸が苦しくなったり、鈍重感といった症状が出てきます。もっと重症になると、眼球まで圧迫されることもあります。
 治療法としては、まず原因となっているむし歯を抜きます。それでも完治しない場合は、手術することになります。
九五%以上に改善がみられ学会に発表!
 さて、なた豆の臨床試験は、その当時、私が勤務していた長崎大学病院口腔外科で行いました。患者さんの了解をとり、二四人の歯性上顎洞炎の患者さんに、なた豆茶を毎日約一リットル飲用してもらいました。
 その結果、二三人に改善がみられました。改善するまでの期間は、早い人で約二カ月、一番長くかかった人で約一年半、平均で四・七カ月後には、歯を抜いたあとの傷口がふさがって、患部の回復がみられました。
 この臨床試験の結果は『歯性上顎洞炎治療におけるなた豆茶の使用経験』という論文にまとめ、二〇〇二年の第四七回日本口腔外科学会で発表しました。
 そこで取り上げた症例には、鼻づまり、鈍重感のほか、眼球圧迫感まであった患者さんが、原因となった歯を抜き、あとはなた豆茶だけを飲んで完治した例もあります。
 なた豆茶は歯周病にも効果があるので、歯周病の患者さんにもすすめています。通常の治療との併用になりますが、なた豆茶を飲んだほうが早く改善するような印象があります。また歯ぐきの炎症や口内炎など口腔内の粘膜疾患全般にも、なた豆は効果があると思われます。
伊藤道一郎(いとう・みちいちろう)
1958年熊本県生まれ。長崎大学歯学部卒業、同大学大学院歯学部博士課程修了後、同大学歯学部第一口腔外科講師。
その後、日本のインプラント治療をリードするブローネマルク・オッセオインテグレイション・センターで研鑽。現在、番町オーラル・サージャリー&スキャニング(口腔外科、インプラント治療、CT診断)院長。口腔外科専門医。歯学博士。
掲載協力 : 『はつらつ元気』2008年11月号(特別付録)

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